ある数を割り切れる数(約数)を見つけ、公約数・最大公約数を求める
約数とは、ある整数を割り切ることができる整数のことです。たとえば12の約数は1、2、3、4、6、12の6個です。この単元では、約数をもれなく見つける方法、2つの数に共通する約数(公約数)、そしてその中で最も大きい最大公約数(GCD)を求める方法を学びます。
約数は、分数の約分やものを等しく分ける場面など、算数のさまざまな場面で使う基礎的な概念です。「12個のクッキーを何人で分けると余りなく分けられるか」という問いは、まさに12の約数を求めることに他なりません。生活に密着した考え方であることを伝えましょう。
また、公約数と最大公約数は、分数の計算(通分・約分)を行ううえで不可欠な知識です。この単元をしっかり理解しておくことが、5年生以降の分数の学習をスムーズに進めるための土台になります。
例題:18の約数をすべて求めなさい。
考え方:1×18=18、2×9=18、3×6=18。したがって約数は1、2、3、6、9、18の6個。ペアで見つけるともれがなくなります。
約数のペアを見落とす:約数を探すとき、小さい方から順に割っていくのはよいのですが、ペアになるもう一方を書き忘れることがあります。たとえば「2で割れる」ことは見つけても、対応する「9」を書き忘れるケースです。約数はペアで見つけることを教えましょう。1×18、2×9、3×6のように書くと、もれを防げます。
体系的に探せない:約数を見つけるのに行き当たりばったりで探すと、もれが出やすくなります。「1から順番に割っていく」という方法を知っていても、途中で飽きたり飛ばしたりしてしまうお子さまが多いです。どこまで調べれば全部見つかるかの目安(掛け算のペアが重なるところまで)を教えてあげましょう。
約数と倍数を混同する:「約数」と「倍数」は対になる概念ですが、名前が似ているため混乱しやすいポイントです。「12の約数」と「12の倍数」は全く異なるものです。約数は「12を割り切る数」(12より小さいか等しい)、倍数は「12の段の数」(12より大きいか等しい)と、それぞれの意味を明確に区別させましょう。
1とその数自身も約数であることを忘れてしまうお子さまもいます。特に「1」は当たり前すぎて書き忘れがちです。約数を書くときは必ず「1」から始めて「その数自身」で終わる、という形を習慣にするとミスが減ります。
ペアで見つける方法を教える:約数は必ずペアで存在します。18なら、1と18、2と9、3と6がそれぞれペアです。掛け算の結果がその数になる2つの数の組を探す、という形で教えると、もれなく見つけやすくなります。ペアを表に書き出す方法をおすすめします。
小さい数から順に割ってみる:1で割れるか→2で割れるか→3で割れるか…と順番に試していく方法は、最もシンプルで確実です。割り切れたらその商もペアの約数として記録します。ペアの2つの数が同じになるか、すでに見つけた数と重なったら、探索終了です。
ものを分ける場面と結びつける:「24枚のカードを何人に配ると余りなく配れる?」のように、実際にものを分ける場面を使って約数の意味を教えましょう。24枚を1人に24枚、2人に12枚ずつ、3人に8枚ずつ…と配ってみると、約数の意味が体感できます。
最大公約数を求める場面では、すべての約数を書き出す方法のほかに、「すだれ算(連除法)」という方法もあります。共通の約数で次々に割っていき、割った数を掛け合わせると最大公約数が求まります。お子さまの理解度に応じて、使いやすい方法を選びましょう。
約数の概念は「分ける」ことと密接に関わっています。日常生活での「分ける」場面を活用して、自然に約数の考え方に触れさせましょう。
🗣️ 「このお菓子を余りなく分けられるかな?」
→ ものを等しく分ける場面で約数を意識させる声かけです。「12個を3人で分けると4個ずつだね。12は3で割り切れるね」と確認しましょう。
🗣️ 「○○を割り切れる数は何があるかな?」
→ 約数を見つける練習への声かけです。「1から順番に試してみよう」と、体系的な探し方を促しましょう。
🗣️ 「ペアで見つけると、もれなく探せるよ」
→ ペアで約数を見つける方法を思い出させる声かけです。「2で割り切れたら、割った答えも約数だよ」と教えてあげましょう。
タイルを並べる場面も約数の理解に役立ちます。「24枚のタイルを長方形に並べるとき、どんな形ができる?」と問いかけると、1×24、2×12、3×8、4×6という約数のペアを自然に見つけることができます。工作やパズルの感覚で取り組めるので、楽しみながら学べます。